患者
60代 女性 大垣市 A.Iさん
来院
2017年2月
症状
1ヶ月前から左腰部、左臀部〜左太もも、ふくらはぎの外側にかけての痛みとシビレがあり困っていた。歩行時には特に足の裏に痛みが強く出ていた。
また、座ったままの体勢でいると痛みが増してくるので、食事を取るのも辛い状態であった。1日の中では朝方が特に辛い時間帯で、身体を動かすのも30分くらいかかっていた。
初回問診にて今までの経過を詳しくお聞きすると症状が出たのは今回だけではなく、3年前にも整形外科でのMRI検査にて「腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛」との診断を受けていた。その時はロキソニンやリリカ、トラムセットなどの薬剤による処置でなんとか治まっていたが、今回はそれらの薬を飲んでも症状が変わっていない状態であった。
また当院に来られるまでにも鍼灸やいろいろな整体にも行かれていたが、あまり効果を実感出来なかったとのこと。
最初に坐骨神経痛が出てからの3年間は、毎年のようにギックリ腰にもなっていた。
毎年、年末頃になると決まったように坐骨神経痛に悩まされていて、今回は特に足の痛み・シビレも強くこのまま良くならなかったらどうしよう・・・4月末には海外旅行の計画もあるのにこのままの状態ではとても行けないのでは・・・と不安になられていた。
治療内容と経過
初回検査にて姿勢や関節の可動性などを細かくチェックしていった。
その中で骨盤の歪みによる左右差があり、上半身のバランスも崩しており背骨は側弯がみられた。またそれに合わせて骨盤の前弯(前へ倒れすぎている)もみられた。
1ヶ月目は、週2回のペースで通院。理由としては、3年前から坐骨神経痛を繰り返している今までの事実から考えて根本原因の改善をしていく上では、その場しのぎの対処的な処置だけでは不十分であり、今までの身体の良くない使い方のクセや姿勢、関節の動きを正常にして、その状態を安定させるためです。
通い始めて1ヶ月経過する頃には、痛み・シビレともに楽になってきて朝方30分くらいは痛かった痛みもなくなってきていた。
2ヶ月目は、4月末から海外旅行に約2週間行くことも考慮し本人からの希望もあり、引き続き週2回のペースで通院。
2ヶ月目からは2時間程座っていても以前のような足の痛みは出なくなっていた。また日帰り旅行に行けるまでに回復され、旅行先で1万歩歩いたが翌日以降も疲れを感じるだけで坐骨神経痛の症状に悩まされることはなくなっていた。
当初の目標にされていた海外旅行へも無事行くことが出来た。
今後はコンディション維持のため、メンテナンス通院していき、さらに健康な良い身体の状態をキープしていく。
使用した主な手技療法
骨盤矯正・股関節調整・側弯調整
考察
「腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛」に対する処置として、病院など一般的には痛み止めや抗炎症剤などによる薬による治療になることがほとんどである。あとは、経過をみて痛みが引かなければ薬の種類を変えるか、より鎮痛作用や抗炎症作用の強いものになっていくことが多い。
しかし、これらの処置だけでは坐骨神経痛の痛みは治まらないケースは意外と良くおこります。実際、当院へ通われている他の坐骨神経痛の患者さん全員に今まで受けてきた治療法などを聞いているが、薬剤による治療である程度の効果が出る方と効果を感じられなかった方が存在しています。
これはおそらく炎症の程度や薬がその方の身体に合っているか?などの理由によって個人差が出るのだと思います。
当院では、そもそもなぜ?腰椎椎間板ヘルニアになったのか?その原因探しからしていきます。多くの場合、腰だけに原因がある事は少ないと考えます。
今回も腰だけでなく姿勢の悪さや骨盤部の歪み・腰以外の背骨の歪みがみられた。
画像診断ではわからない部分を見極めていき、根本原因を見つける事で施術計画を立てる事が出来、あとはその計画に沿って適切な施術をしていく事で良い結果まで導く事が可能となる。
このページの作成者について
著者:三ツ村聖
〜略歴〜
岐阜県瑞穂市の整体院「みつむら接骨院」院長
プロの整体師約370名が在籍している業界団体にて、講演の講師を平成28年、平成29年と2年連続で勤めたプロを指導するプロの治療家。