患者
40代 女性 揖斐郡 S.Kさん
来院
2017年1月
症状
数年前から首や肩のコリがひどく、頭痛も伴うほどであった。また身体を動かす事が好きで調子が良い時は週に4、5回ほどインディアカやフィールサイクルといった運動をしていたが最近になり腰痛も辛くなってきた。
また今年に入ってから肩こりだけではなく「ふわつき」が出るようになり、それまでの身体の感じとは明らかに違ったので、心配になり病院で検査を受けBPPV(良性発作性頭位めまい症)との診断を受けた。
病院で処方された薬を飲んだり、首・肩の痛みが我慢できない時にはロキソニンも飲んでいたが、一向に状態が変わらないのでこのまま病院へ通っても良くならないのでは・・・と不安になり、インターネット検索で当院の事を知り来院された。
治療内容と経過
検査にて頚椎(首の骨)を動かせる範囲が少なく、特に回旋や上を向く動作に制限が見られた。また肩甲骨周囲の筋肉の緊張も強く、肩甲骨が自由に動かせない状態になっていた。それに加え、骨盤部の歪みがあり左右の高さに違いが見られ、身体を後ろへ反らす動作に大きく制限が見られた。
初回施術にて特に頚椎を整え、めまいが少し楽になられた。
その後6回目までは、頚椎だけでなく肩甲骨の動きや骨盤の歪みを整え、それらが安定するまでは週1回のペースで通院され、根本原因に対しての施術をしていった。
6回目が終わる頃には日常生活で「めまい」を感じる事はなくなり、身体の調子が悪くなる前と同じように週に4、5回好きなスポーツを楽しめるまでに回復された。
使用した主な手技療法
頚椎矯正・肩甲骨調整・骨盤矯正
考察
BPPV(良性発作性頭位めまい症)の治療となると、薬による処置やその後は経過観察となる事が多いです。
しかし今回のケースのように病院での治療では良くなっていかない事もあります。この方の場合ですと頚椎の関節可動範囲が狭くなってしまい、首が正常に動かせない状態になっていました。またそれに合わせて肩甲骨の動きづらさに加え、骨盤部の歪みもありました。頚椎がスムーズに動かないと、首の関節の周りの筋肉は硬くなってしまいます。すると、頭部へ流れる血流や頭部-背骨間を循環している脳脊髄液の循環がスムーズにいかなくなる事が考えられます。
骨盤部(腰の骨)は一見すると首とは関係なさそうなのですが、頚椎と腰椎は連動して動いていて影響しあっているので、実は関係している事が多いです。
患者さんの訴えられる首・肩の症状だけに捉われるのではなく、身体全体を俯瞰して見られたこと。検査にて的確に原因究明し、計画通りに施術をしていけた事が良い結果に繋がったと考えられる。
このページの作成者について
著者:三ツ村聖
〜略歴〜
岐阜県瑞穂市の整体院「みつむら接骨院」院長
プロの整体師約370名が在籍している業界団体にて、講演の講師を平成28年、平成29年と2年連続で勤めたプロを指導するプロの治療家。